エリカさんとの毎晩10分のデート代は千円ぐらいだった。
土、日曜日は忙しいという事で月曜日から金曜日までだった。
時々、なんか用事が入るらしくて待っていてもエリカさんとは話せない事が何どかあった。
そんなときでも「お相手が見つかりました」
「あんたいくつ!! どこ 金持ってんの?」
「はあ?」
「はぁ、じゃねえよ、ガッチャン。プゥプゥプゥ・・」
相手は簡単に見つかる。
しかし、エリカさんみたいな女性はいなかった。
毎晩のデートを重ねる上で、気づいた事があった。
俺は話題がないという事だ。
ほとんどがエリカさんから話題を投げかけもらっていた。
時々、話題に詰まってしまって無音になっちまうときがあったんだ。
なんとかしないとと思い俺は焦ってしまった。
それで、サボートセンターのスタッフに「みんなといるときにどういう話題をすれば会話できるのか教えてほしい」と言う事を聞いた。
俺は聞いた事を忘れないようにと、メモをした。
今流行っている音楽や映画の話。
人気のテレビドラマ、コンビニで人気のお菓子などなど
スタッフがうれしそうに明日から、会話の練習をしようと言った。
「こんな練習したら、友達も仲間に入れてくれるかな?」
そう聞いたら、「みんなから良く思われる為の練習だからね。」
と言った。
「女性からもてる為の会話の特訓をしてくれ」これが俺の本音だったが、俺に彼女がいるという事は死んでも守りとおさなければいけない事だったんだ。
「ヒロが、会話の練習??しかも自分から練習を申し出た???」
次の日、スタッフのみんなが俺をじっと見ている事に気づいた。
練習が始まったが、難しいんだ。
俺にはとても難しい。
女性のスタッフと二人三脚で実践練習なんだ。
こうしている間にも、エリカさんとの会話が続いていった。
しかし、段々不安が生まれてきたんだ。
俺は偽りの自分を演じている。
このまま行くといつかリアルに会うという展開になっていくだろう。
しかし、全てが偽り。
何もかもがばれてしまい ジ、エンド!!
それだけは嫌だ!!
この楽しい時間がいつまでも続いていてほしかった。
ある日の事だ。
今日、バレンタインデーダネ。
「ねえ、ヒロさんは何枚チョコレートもらったの?」
隣に住む幼稚園児の女の子から、チロルチョコレートをもらった事しか記憶がないんだ。
「ねえ、何枚?」
自分の現実を見せつけられているようで恐かった。
「黙っているという事は、数えているんだ!!」
俺は電話を切った。
耐えられなかった、これ以上嘘を突き通す事に。
楽しかった会話はいつしか、苦痛になっていた。
俺は決心した、真実を話そう、そして潔く散ろう。
明日で全ては終わる、俺は覚悟した。
「お知らせ」
「小さな小さな食堂開設への道」と題して、下記のブログを書いています。
これは、「ひきこもり、家庭内暴力等で、希望を失ってしまった日本の青少年に就労場所を提供し、自信をつけてもらう為のプログラムです。」
素人が無謀にも取り組んでおり、毎日が悪戦苦闘しております!!
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「小さな小さな食堂開設への道」
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