発達障害な僕たちから2

発達障害と診断され、2次障害でひきこもった東大、青木、シンゴと50代男Aとスタッフ吉村が社会復帰目指す日常を綴りながら支援についても書いていきます。

絶望から希望へのターニングポイント 程度の悪いアスペな俺 

 

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ケイさんは、俺に優しくゆっくりと話しかけてくれた。

「死ぬ前にまだやることはあるんだということ」

「それは困っている人を助ける事」

 

 

 

困っている人を見ても見ていない振りをする人が多い。

他人の苦しみを自分の苦しみのようにとらえなさい。

ヒロさん、あなたはたくさんの悲しみを味わったんだから。

 

 

 

悲しみを感じた事のない人には悲しみがわからないのです。

あなたは他の人の悲しみがわかるでしょ。

そう言われた。

 

 

 

「・・・・・・・」

頭が混乱した。

頭が痛くなってきた。

 

 

 

でも、わかった事があった。

本当は俺、生きたいんだ!!

 

 

 

俺、皆から優しくされたいんだ。

認められたいんだ、俺は。

 

 

本当は皆の輪の中にいたいんだよ。

 

 

 

周りにいる人間に俺を認めてくれと言っても、認められる者でなければだれもみとめてくれないということ。

 

 

 

そうする為には、自分から優しい人間に変わらなければいけない。

俺が優しい人間になれば、周りの人も俺を優しい目で見てくれる。

愛されるより、愛する人になりなさい。

 

 

 

助けを求めている人の友達になりなさい。

不満、不平を言ってはいけません。

いつも感謝していなさい。

 

 

 

だから、俺は優しい人になろうと決心したんだ。

 

 

 

ケイさんが俺に語ってくれた言葉が、乾いた砂にしみ込む水のように

俺の頑な心の中にしみ込んでいった。

 

 

 

ケイさんの話を聞く前に、俺はケイさんの自宅を訪問したんだ。

そこで、ありえない貧しさを見た。

こんな悲惨な状況の中でも、未来に希望を見いだすケイさん。

家族の為に自分を犠牲にしているケイさん。

 

 

 

「犠牲ではないよ、家族の為に尽くすのは喜びです」

そう言い切ったケイさん。

 

 

 

あんた、どんだけいい人なんや!!

 

 

 

こんな事もあったんだ。

日曜の昼下がりにケイさんが俺をマニラ観光に連れて行ってくれたんだ。

ケイさんは、熱心なクリスチャンで、教会での奉仕を終えて、すっ飛んで来てくれたんだ。

 

 

 

二人とも、まだ昼ご飯を食べていなくて、テイクアウトでパンを買って公園のベンチで食べていたら、ストリートチルドレンが俺たちにまとわりついて来やがった。

 

 

 

くさいし、汚いからせっかくのデート(俺が勝手にそう思い込んでいた)が台無しだ。

「てめえら、あっち行け」ってでかい声で脅してやったんだ。

 

 

 

そうしたら、ケイさんが、俺を制して、逆に手招きしてんだ。

「やめろよ、危ないよ、お金なんか取るんだよこいつら。気をつけて」

俺は、ケイさんに警告したんだ。

 

 

 

ケイさんは、その場で膝まづいて、子ども達と一緒にお祈りをして、さっき買ったパンを全部あげちゃったんだ。

 

 

 

「なんで、そんな事するんだよ、あんた、腹へってんだろうが」

「私は、また食べるチャンスがあります。あの子ども達はないかもしれないから」

 

 

 

ストリートチルドレンの子ども達の目をもう一度見た。

身なりは汚いが、子ども達の目がとても透き通っていることに気づいた。

 

 

 

俺は涙が出て、仕方なかった。

やっぱ自分の事しか考えないくそ野郎、ヒロでございます。

 

 

 

その時、俺の手に、まだパンが残っていたら、すぐにでも子ども達に上げただろう。

でも、糞なおれは、パンを取られるんじゃないかと不安で、無理して一口で食べてしまっていたんだ。

 

 

 

くそ野郎伝説、ヒロ。

これが本当の俺の姿さ!!

 

 

 

だから、だから、ケイさんの1つ1つの言葉が俺の心にしみ込んで行くんだ。

汚い汚い俺の心が少しずつ、きれいになっていく感じがした。

 

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