フィリピンまで来て、はっきりしたんだ。
俺の心は心底ねじ曲がっているんだってね。
海に飛び込んだ時よりも今回は決定的だった。
自分に絶望した。
自分の中に良いところなんかまったく見つからなかった。
醜い自分の姿に愕然とした。
俺は、俺を傷つけ続けてきた奴らを心底憎んでいた。
心の中で軽蔑していた。
そんな連中よりも、俺の方がどれだけ醜い人間なのか。
泣き止んだらしばらくそこに座り込んでいた。
スタッフが終わったから、帰ろうと誘いにきた。
俺は無言で車の最後尾に乗り込んでそのまま目を閉じた。
俺に気遣って、誰も何も話しかけない。
車の外が騒がしい。
さっき、服を配布した子ども達が走って追いかけているんだ。
「ありがとう、ありがとう」って叫びながら。
俺は、体が震えてしまった。
ホテルについたら、俺は真っ先に部屋に逃げ帰った。
スタッフが気を使い、俺の部屋まで夕食を届けにきてくれた。
食い意地が張っている俺でも、この日は喉に通らなかった。
眠れなかった。
どこかに俺の良いところがないかと、今までの記録を呼び戻す。
しかし、何もない、何も。
誰かに感謝されたとか
誰かに愛されたとか。
何も、思いつかないんだ。
我慢できなくて、青木さんの部屋を尋ねた。
青木さんに、やっぱり死ぬしか選択肢がない事を伝えた。
青木さんが、死ぬ前に明日、スタッフのケイさんにあいなさいと俺に言った。
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