小学6年の修学旅行で伊勢に行った。
海をのぞいていたら、たくさんの人が潮干狩りをしていた
僕は潮干狩りが大好きだったので、じーっとのぞいていたら
「僕もやるかね」と誘われた。
「後でくるから」と言ったことがだんだん頭の中で
大きくなっていき、我慢できなくなった。
グループ行動の時間に、
理由を付けてみんなと別行動をした。
向かった先は、潮干狩りをしていたところ。
「僕、これね。ただだからね。」
そうにっこり微んだ、おばさんの顔が天使に見えた。
「おかあちゃん、喜ぶかな」と思い
初めは少しだけとって戻ろうと思ったが
そのうちに面白くなって取ることに夢中になった
「こらあ、青木。何やっとるんだ。」
振り向くと、担任のみたこともない形相の顔があった。
集合時間のことをすっかり忘れていた。
首根っこをつかまれながら、それでも貝が一杯詰まった
ビニール袋を大事にかかえていた。
「まだこんなもん持ってるのか。早く捨てなさい」
無理矢理奪い取られたビニール袋は駅のゴミ箱に入れられた
「各クラスの担任の先生のところに行って、謝ってこい」
このときさんざん色々言われたと思うが、何も覚えていない
しかし、ビニール袋が捨てられたゴミ箱の色や形は今でも
覚えている