最初のテストが帰って来た。
青木だから一番最初に答案用紙が返された。
僕の点数は30点ぐらいだったと思う。
「あれえ!?社会の先生どうしたんですか」
答案用紙を返してもらったときに、野村先生がそう話しかけてくれた。
その日から、職員室で僕だけの特別な勉強が始まった。
「青木君、勉強のやり方はわかるか」
「・・・・」
「覚えるだけだよ。」
「大切なところを言うから、線を引っ張って下さい。そして、覚えなさい」
「覚えるときには、大きな声を出したり、体を動かしながら覚えなさい」
「それか、紙に100回ぐらい書きなさい。教科書を全部覚えなさい」
僕は教科書を読んでも良く理解できない。
だから、大きな声を出したり、動き回って覚えるしかない。
恥ずかしい話だが、今でもそうだ。
勉強ができなかったので、勉強する事にとても緊張していた。
先生は、勉強を始める前に、最近あった出来事をおもしろおかしく話してくれた。
話した後に、パーンと手を叩いて、「さあっ、暗記開始」と話してくれた。
一ヶ月後、小テストがあった。
僕は生まれて初めて百点をとった。
今でもその時の事をよく覚えている。
そうして、他の教科も同じように暗記した。
3学期には4が多くて、社会と理科が5だった。
しかし、いくつかの教科は暗記というやり方が効かなかった。
図工、音楽、体育は2だった。
野村先生との出会いがなければ、今頃どうなっていたのか。
出会いの大切さを感じている。
5年生になって、同じくらい素晴らしい先生に出会った。
川島先生は僕に生きる上での希望や喜びを教えてくれた。
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