私が臨時にブログを書いています。
フィリピンサイドのスタッフはまだ、支援で大変な状況なのです。
日本で支援をしている人たちは、比較的穏やかで、暴力もないですし、淡々と毎日の日課をこなしています。
フィリピンサイドとは違います。
でも、フィリピンでも、日本でも私たちがおこなっている支援には変わりがありません。
私たちがおこなっている支援を一口でいうならば〈自信をつけてあげること〉です。
自信はどのようにしてつくのでしょうか。
できなかったことをできるようにしてあげる。
そうしたら自信はつくのでしょうか。
ラックがうまく組み立てられなかった人がいました。
ラックだけではなく、学校でおこなった図工での授業。
絵を描く授業で、幼稚園児程度の絵しか描けなかった人がいました。
技術の時間に作った本箱をみんなから笑われた人。
体育の授業で、大縄跳びができなくてみんなから体育祭には休んで欲しいと言われた人。
体操の時間にふざけてやっていると注意されて、先生に叩かれた人。
私たちが支援をしている人たちは、みんな、みんな辛い経験をしています。
1つだけできないのではなく、あれもこれもできないのです。
上で述べたことは、代表の青木に全て当てはまります。
「小学校に通い続けるのは、本当に辛かった。」と青木は話してくれます。
「みんなは先生の話を聞いただけで、本箱も完成できたし絵だってうまいんだよ。」
「それが信じられない出来事だった。みんな大縄跳びでひっかからないんだよ。どうして僕だけなんだって、毎日疑問だらけだった。僕の何が悪いのかもわからなかった。」と青木は言います。
できないことが積み重なると、自信が無くなります。
そして不安になります。
みんなができるのに、自分だけができない。
自分だけみんなの前でいつも注意される。
学校に行くのが嫌になって当然です。
では、できるようになれば人は変わるのでしょうか。
青木は小学校4年生で転校します。
4年生の担任は、先生になりたての「野村先生」でした。
青木は新学期が始まる前に小学校に呼び出されました。
そして野村先生と対面して、先生からこう言われたのです。
「青木くんに質問します。青木くんは何が得意ですか。」
しばらく考えた青木は答えます。
「クイズ。」
「どんなクイズですか。」
「世界で1番長い川はなんだあ?」
「世界で1番長い川?えええっとなんだったかな?」
「ナイル川。」
「えええ、本当?」
「すごいな、青木くんは社会の先生だな。」
「明日、青木くんをみんなの前で転校生として紹介します。その時に、社会の先生として紹介します。今のクイズも出しますよ。」
当日クラスのみんなから、「おおおお」という歓声が上がったのです。
生まれて初めて、人から認めてもらった経験をした青木です。
この小さな体験から青木は大きく変わっていくのです。
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