20年近く前に青木から支援を受けた私です。
以来、10年間支援を受け続けて、社会に戻ることができた私です。
少しづつ回復していく中で、この働きを手伝うことをお願いされました。
(私にできるのかしら)と、不安の中で始めた支援のお手伝いでした。
ヒロさんの支援を始めた頃のことをよく覚えています。
〈ハリーポッター〉と〈ロード・オブ・ザ・リング〉 が大好きで映画館にヒロさんとよく見に行きました。
興奮すると立ち上がり、スクリーンに向かって大きな声をあげて周りから怒られていたことを思い出します。
〈ロード・オブ・ザ・リング〉の初作で、登場人物の〈ピピン〉がモリアの井戸で、誤って骸骨を井戸に落とした為、オーク達に気づかれてしまうという場面では、ヒロさんの怒りは爆発しました。
立ち上がり、スクリーンに向かって「おい、ピピンいい加減にしろや!!お前のおかげで、旅は台無しだ。」と大声で叫んでしまったのです。
その時は、ヒロさんの手を引っ張り、館内から一次的に出して、落ち着かせました。
そんなことを思い出します。
その彼も今は、結婚資金を貯めるべく働いているのです。
その当時の彼を知る人は、そう言っても信じてもらえませんね。
話がそれてしまいました。
20年近くこの働きの中にいる私です。
たくさんの悲しんでいる人たちに出会いました。
ひどく暴力を振るう人がいました。
お母さんを包丁で傷つけてしまった人。
逆に自分を傷つけていた人。
警察からの連絡で家族の代わりに、警察署に行ったことも何度もありました。
大変な人たち。
でも彼らから教えてもらったことがあるんです。
そんな彼らですが、心の中では人一倍、親の愛を求めているのです。
求めても、得られない親の愛。
もちろん親御さんは、一生懸命に子どものことを思っているのです。
しかし、どこかですれ違ってしまっている。
そのすれ違いは、平行線のまま。
ただ時間だけがたっていく。
私たちは発達障害の二次障害でひきこもったり、家庭内暴力を起こしていたり、他者とのコミニュケーションがうまく取れなかったりしている人たちを支援しています。
その支援の中には、親と子が和解することも含まれているのです。
和解するために必要なことは、
1、親と子が、お互いのことを落ち着いて考えられるような距離を置くこと。
2、当事者が自信をつけて落ち着くこと。
3、たくさんの人たちとの関わり合いの中で、〈人の感情〉を学ぶこと。
これらができて初めて、親と子が和解に向けて動き出すことができるのです。
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