とにかくじっとしていることができない子どもでした。
初めてサポートセンターの事務所に来た時のことです。
各部屋のドアを開けて中を覗こうとしたのです。
各部屋では、支援を受けている人たちが勉強をしていたり、パニックをおさえるために、静かにしていたりしているのです。
その邪魔をして良いわけがありません。
「開けないで。」と注意をしたのですが、「そう言われてしまうと余計に覗きたくなるのです。」と独り言を言いながら、各部屋のドアを開けようとするのです。
最後は青木に促されて、施設内の会議室に移動してもらいました。
ところが、青木が「5分待ってね。トイレに行って、会議室に帰ってくるまで5分かかるので、今から、5分間待っていてね。」と言いました。
「わかりました。」との返事がありました。
しかし、青木が会議室に戻ってみるといないのです。
周りを探したのですが、いないのです。
青木は、この子は片時も目を離してはいけないと考え直してトイレに行くのを我慢して、会議室に戻って来たのですが、いないのです。
すぐに手の空いているスタッフに電話をして、館内から外まで、探しました。
ここが日本であることを感謝した青木です。
「フィリピンだったら、もう見つかることは難しく、この団体はおしまいだ!!と思った。」と後で言っていました。
いくら探しても、いないことから、家で待っているお母様に連絡をして、状況を説明しました。
「自宅に帰られましたら、お電話ください、」とお願いしました。
青木は、借りている会議室に荷物をおきっぱなしにしていたことに気がつき、荷物を取りに会議室に戻りました。
その会議室で、彼を発見しました。
「ただいまから、35分40秒をお知らせします。」
「青木さんは、35分41秒で戻って来ました。」
「長いですよ。うんこをしていたにしても、長い。」
「お腹の調子が悪いのなら、お話は中断することにしましょう。そして僕は1人で帰ります。」と言って、立とうとした時に青木が言いました。
「ごめんなさい。長いうんこをしていました。携帯を持って個室に入らなかったので、連絡が取れませんでした。うんこをたくさんしたので、今は元気です。だから、君と話したいです。よろしくお願いします。」と、とっさに言ったそうです。
それから3時間近く、彼は話すのをやめませんでした。
睡眠時間がしっかりと確保できない青木にとって、3時間集中して話を聞くことは大変に困難なことです。
とうとう、「一生懸命、君の話を聞いていたけれど、気持ちが悪くなってきたので、話を聞くのはこれでおしまいにしたいです。明日、また続きを聞きたいです。」と言いました。
そうしたら大きな声で「ダメだ!!明日になると忘れてしまう。今しゃべりたい。」と拳を握りしめて、机を叩き始めました。
大変な状況のお子さんでしたね。
これは私たちでは支援は難しいかと、考えていました。
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