発達障害の2次障害で〈ひきこもり〉〈家庭内暴力〉があって困っている人たちの支援をしています。
最近は、アスペルガーという診断名はあまりされていないと聞きましたが、僕たちが支援している人の多くはアスペルガーと診断されています。
代表の青木によれば、30年間の支援でADHDやLDという診断を受けて支援をした人は数人だそうです。
彼らは、それなりになんとか社会に溶け込んでいる人が多いのでしょうか。
その一方、アスペルガーとの診断があり、私たちの支援を受けている人たちは、確かに今まで苦労してきたのだなと僕でも感じるのです。
僕もアスペルガーとは診断を受けてはいませんが、誰が見てもそうだと思います。
実際は、発達障害と診断されただけです。
そんな当事者の僕が、支援をしている人たちを大変だと感じるのです。
どんなふうに大変なのか。
僕は彼らの家族のことを考えます。
身近にいる母親。
「他の兄弟と比べて、子育てがどうしてこうすんなりといかないのだろう。」
そう頭を抱えて、悩んでいるおかあさんは多いのだと思います。
だから、子どもがやろうとする前に、おかあさんが先回りしてやってしまっていることが、多いのではないですか。
子どもにやらせるより、おかあさんがやってしまった方が楽ですし、イライラすることがなくなるので、やってしまうのでしょうね。
でも、そうしますと、子どもはいつまでたっても何もできないままなのです。
持って生まれた特性ゆえに、同じ年齢の人たちとくらべても明らかに苦手なことが多い僕たちは、いくら年齢を重ねても、何もしないならばできない子どものままなのです。
できないことが、多くあるまま大人になっていくのです。
ラックを組み立てられなかった山田さん。
みんなとバイキングスタイルの食事に行って、勝手に席について1人で食事を始めてしまったMr.Joe。
誰も聞いていないのに、自分の好きな話を延々としていた大統領。
頼まれた買い物1つもできなかったヒロさん。
みんなサポートセンターに来る前は大変だったと言います。
サポートセンターでも、できなかったことを1つ1つ丁寧に指導を受け続けたわけですから、大変だったと思いますよ。
でも、みんな言うのです。
「できなかったことが、できるようになってうれしい。」
「こんなふうに、丁寧に怒らないで教えてくれれば、やってみようと思うんだ。」
何もサポートセンターの支援なんていらないんですよ。
わざわざフィリピンまでお連れしなくても良いのです。
ご家庭で、当事者と向き合って1つ1つ丁寧に指導していけば、彼らは成長していくのです。
必要なことは母親の忍耐と知恵です。
それがなかなかできないので、多くの人がサポートセンターに依頼をされるのでしょうね。
でも、もう一度ご自分の手で子どもたちを教育してみませんか。
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