僕は泣かない人間だと思っていました。
小学生の時、家で飼っていた愛犬が車に轢かれてなくなりました。
兄弟は悲しみのあまり、数日間学校を休んでしまいました。
どうしてこんなことが起こるのかと、怒りを表していたその姿を今でもよく覚えています。
なんの反応も示さなかった僕に、兄弟はその怒りの矛先を向けました。
「勉強はできるが、人間としての優しさがお前には足りない。」と。
そう言われても・・・・・・。
僕も僕なりに悲しかったですけれど、泣くまでもありませんでした。
しかし、僕を省く家族全員の涙をこの時見たのです。
あの変わった父親ですら涙していたことに驚いていたぼくです。
東大の合格発表の瞬間。
母は泣いていました。
「よかった。よかった。」と何度もつぶやいていた母。
滅多に感情をあらわにする人ではないのですが、この時は違っていました。
そんな母が僕に聞きました。
「隆は嬉しくないのかい。」って。
嬉しいか、嬉しくないかと尋ねられれば、答えは嬉しかったです。
しかし、その時母には何も答えませんでした。
そんな母が数年前になくなりました。
流石に涙が出ました。
しかし兄弟からは「やっぱり変わらないね。少しは悲しいという感情がないの?」と言われたのです。
そんな僕が最近泣いたのです。
女性スタッフが支援をしている生徒がいます。
以前ヒロさんがブログで書いた生徒です。
smilehousejapan.hatenablog.com
女性スタッフは2年間青年を支援しています。
今は彼が学校に行き続けられるようにと、同じ学校に入学して、クラスメイトにまでなって支援をしているのです。
しかし女性スタッフの優しさに答えるどころか、冷たい態度や発言をスタッフに返します。
もちろん僕たちは、彼らに「お仕えする」という気持ちで支援をしています。
決して支援をしている人から、優しさを求めようとはしません。
しかし僕たちも感情を持つ人間ですから、冷たい態度を取られ続けると、自分の何がいけないのだろうかと、自己否定な気持ちを持ってしまいがちです。
その女性スタッフはほんとうに一途に青年に仕えていました。
そんな女性スタッフが最近体調を崩して入院しました。
すぐに別のスタッフが青年の支援をひきついだのです。
女性スタッフは入院中も、青年に対して励ましのメールを送り続けていました。
そして退院の翌日には、学校に復帰したのです。
そんなスタッフに青年が「僕は大丈夫だから、まだ休んでいてください。」と話したというのです。
2年間毎日一緒にいて、初めて優しい言葉をかけてもらったのです。
この言葉に担当スタッフはとても強く心を揺さぶられました。
事務所に帰るなり泣き出したのです。
「よかった。よかった。」となんどもなんども同じ言葉を繰り返していました。
僕もその報告を聞いて泣いてしまいました。
大粒の涙が頬をつたいます。
母が亡くなった時にもこんなには泣かなかったのに。
気持ちを落ち着かせるために外に出て歩きました。
以前ヒロさんから勧められて見た映画のワンシーンが思い出されました。
たくさんの人たちに見守られて、生徒たちは回復していくのです。
もちろん僕たち支援者も同じです。
卒業まであともう少しだよ。
本当によく頑張ったね。
僕は君を誇らしく思うよ。
下記バーナーのクリックを押してください。
ご協力をお願いします
日本ブログ村に参加しています。
いつもご協力をありがとうございます。
1位でいると新しい人たちが訪問してくれます。
クリックをお願いします。