高級コンドでは高級チョコレートが無料で振る舞われていた。買わずに済んだな!!
ゴリ男が「ちょっとヒロさんいいかな。」と俺に話しかけた。
「またなんか俺失敗しましたか?」
「早く話せよ、もったいぶって話すんじゃないよ !!」
「『できないことをできるようにすればいいだけ』という言い方なんだけれど。」
「どうしてもできないこともあるよね。」
「どんなに練習してもできないことはヒロさんにもあるよね。」
「わかりますよ。そんなことは。」
「未だに失敗の連続じゃないですか。」
「でもうまくこなしていけることが増えてきたよね。」
「はい、ありがとうございます。」
「今が高校生くらいならば、おれこの先すごい成長でよね。」
「そうだね。」
「今後もできることを増やしていこう!!」
「はい、宜しくお願いします。」
「できることが増えるとできないことがあっても、『まあ仕方が無いかな』と周りは理解を示してくれることが増える。」
「できないことがたくさんあると社会適応できる範囲はせまい。」
「できることを増やしていき、どうしてもできないことは上手に周りに助けを求める。」
「それが大切。」
とゴリ男は鼻の穴をいつもより1.5倍ほど大きくして、勝ち誇ったように俺に話した。
外の空気を吸いたくなって俺は街に出た。
昨日はバレンタィンだった。
恋愛中毒患者だらけのこの国。
あちらこちらに、一輪のバラを持つカップルだらけだ。
昔の俺なら「今すぐ地震が起きてこいつら全員あの世行きだ!!ハァハァハァざまあみろ。」
とひんまがった性格だった。
今、周りを見ながら微笑んでいる俺がいる。
「みんな幸せそうで何よりだ。」
花屋さんも、チョコレートやさんも、ショッピングセンターさんも、みんなよかったね。
そして俺も花を3本購入した。
一本はゴリ男。
一本は家庭教師の姉さん。
1本はいつも俺の世話をしてくれる、母親役のスタッフ。
チョコレートも長い列を並んで買ったよ。
日本は女性が男性に送る。
ここフィリピンでは男性が女性に送る。
そしてメーッセージを添えて夕食どきに渡した。
母親役のスタッフがチョコを手にしてすぐに自分の部屋に引き下がった。
食卓に出てきたときは目が腫れていた。
ゴリ男が冷蔵庫からワインを取り出した。
それは、ハゲがご支援してきた子どものご両親から、感謝の意味でもらった高級ワイン。
大切に隠してしまってあるやつだった。
違うスタッフに諭されて、ゴリ男は冷蔵庫にそれをしまった。
お母さんから怒られた幼い子どものような顔をしていたゴリ男。
もう1人のスタッフが代わりに取り出したのはビールだった。
みんなで乾杯をした。
「?」
「何の乾杯ですか?」俺は聞いた。
「ヒロさんの成長にかんぱあーい!!」
グラスのぶつかり合う音が耳に残った。
俺も少し泣いてしまった。
2月14日の日。
「俺がスタッフを想いやる気持ち」にスタッフたちが感動して泣いたと聞いた。
俺は最初次のように思っていた。
1、かなり無理してスタッフに買ったゴディバのチョコレトのあまりの美味しさにスタッフたちが泣いたって。
さすがに高いだけあるなと感心していた俺。
2、俺の優しさに感動したというのも頭の中の隅の方には小さくあったけどな。
「小さくても昔はなかったからな。それが成長だ!!」By ゴリ男。
そんなことより、誰もゴディバのチョコレートを俺に分けてくれなかったことに悲しみを覚えた俺だ。
我慢できなくて、今から自分用に買ってこようと思っている俺がいる。
ではまた明日。
やっぱり程度の悪いアスペルガーな男、見参!!
とみんな思っているんでしょ。
いいけどね。
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