父親と母親が一週間に2度食糧品を届けに来るという日々が始まりました。
一度は母親が家の中に入り掃除をしようとした気配を感じたので椅子を放り投げてやりました。
「三郎は侵入されるのを嫌がっていますよ。お父さん帰りましょう。」それから玄関先に食糧品を届けに行くという日々が始まりました。
再び侵入されるのが怖かった僕は鍵をかけるようにしました。
僕は精神状態がとても不安定になったり、落ち着いたりの繰り返しでした。
精神状態が悪い時には部屋の扉をたたき壊したり、壁に穴を開けたりしていました。
その時に気が狂ったような大きな声を上げるので近所迷惑になっていました。
近所の人が警察に電話して、おまわりさんが家に来ました。
僕は息を潜めて帰っていくのを待ちました。
警察は父親の会社かなんかに連絡をして、僕が近所迷惑になるくらいの暴れ方をしていることを伝えました。
父親が来て手紙を置いて行きました。
手紙には「これ以上一緒にいたくはないので、家族としての縁を切りたい、いくらかのお金をお前に渡すから家を明け渡してほしい。返事を書いて玄関においてくれ。」とありました。
この時僕は父を殺して僕も一緒に死のうと決心しました。
僕の父親とは話ができないんです。
ずーっと一方通行でした。
もう疲れたんです。
ある日、支援団体の人が来ました。
一方的に話をして帰って行きました。
「このままじゃダメだよ。外に出られるように支援をするから返事をください。」
そんな感じでした。
それからまたもう一度来ました。
同じ話です。
その時は父親も一緒でした。
「黙っていないで返事くらいしろ」と大きな声で父が威嚇したので、椅子を玄関めがけてぶん投げてやりました。
入ってきたら、殺すつもりでした。
3ヶ月くらい静かな日々が過ぎました。
僕の精神状態は悪いなりに落ち着いていました。
昔のように暴れることはありませんでした。
そんな頃にまた違う団体がやってきました。
来たかどうか何も言わずに玄関に僕の好きな物だけを置いていってありました。
手紙が入っていました。
「突然の訪問は怖いものです。何も言わずに帰ります。よかったら食べてください。青木」
かなり高級な食糧品が入っていました。
次の日も、その次の日も食べ物と手紙が入っていました。
手紙の内容は日々変わっていきました。
内容は青木さんのストーリーが描かれてありました。
自分と同じ過去を持っていて、引きこもっていたけれど、訪問をしてくれた人を信頼して人生をやり直した人。
そんな内容が具体的に描かれてありました。
高級食糧品も楽しみでしたけれど手紙の内容が待ち遠しくなっていました。
「僕ももう一度やり直せる。」そんな気がしてきたからです。
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