二十代半ばの男性Dさんは小学校から周りとうまくいかずに不登校気味。
高校は中退して、通信制高校に再入学するが、やはり登校できなくなる。
病院で診てもらったところ、発達障害との診断がおりる。
その後、なんとか自力で高卒認定試験に合格するも、それ以降自宅に引きこもり気味に。
お父様の理解と励ましで再び社会参加する決断をして、一緒に行政機関に相談をしました。
とても優しい相談員の方にほっとし、引き続きカウンセリングに通い続けましたが、このままカウンセリングを受け続けても、自分の状況は変わらないと思い始め、またあせり始めます。
相談員からは居場所に通うことを勧められましたが、不安が強くなり、行くことができない状況に。
とにかく「1日も早く同級生たちに追いつきたい」が、Dさんの今の希望です。
そのためには自分と同じような状況の人たちが回復しているその話を聞きたい。
またその人たちに自分の話を聞いてほしい。
勧められた居場所は、自分と同じような状況の人たちがいる場所ではないか?
それならば行ってもあまり効果がないと思う。
回復した人たちの話を聞きたいし、その支援を受けたい。
そんなDさんの希望を叶えるために、インターネットで検索を繰り返していたご家族が、私たちのサポートセンター名古屋を見つけてくださりお電話をいただいたのです。
お父様からのお話は、「就労支援を1日も早く受けさせて就職させたいのでサポートセンター名古屋でなんとか支援をお願いできないか」でした。
私たちは以下の2点をお話ししました。
1、高校中退してからすでに10年の空白期間があること。
2、不安な状況は何もかわっていないこと
この2点から支援期間はどう考えても3年から5年はかかりますとお話ししました。
「どうしてそんなにかかるのですか」というお父様からの質問がありました。
就労支援では就労に向けて色々な具体的なことを学ぶことができます。
しかし、高校を中退し10年間何も経験してこなかったことは就職にとても不利です。
どんな企業もそのような状況の人を採用することはしないでしょう。
もちろん運良く面接にこぎつけ、応募した他の人たちより、2倍も3倍も情熱をしめせば採用となることがあるかもしれません。
しかし、30年間支援をしてきて、人の2倍も3倍もエネルギッュな状況になった人は数人しか知りません。
ビジネスマンのお父様は私たちの話に納得してくれました。
「名古屋市内のコンビニや飲食店の多くに外国人が勤務しているという状況は知っていました。日本の若者は色々な理由で休んだりするけれど、外国人の人たちは意欲が違うとも聞いています。今は名古屋市内にかかわらず郊外でも外国人の従業員を見ますね。」
偶然にもコンビニや飲食店に商品を卸す会社に勤務しているお父様は現実を理解しておられました。
私たちの時代とは違っているのです。
大変な時代がやってきました。
あせらせるつもりはありませんが、今から技術を身につけたりするためにもう一度学校に行くことは、遠回りに見えて実は確実なことだと思うのです。
決してアルバイトで満足してはいけません。
どんなにアルバイトの経験をしても将来的には何の役にもたたないのです。
40代、50代で、未だにコンビニや郵便局のアルバイトで働かざるをえない人たちがいます。
残念ですが、将来設計を立てられずに苦しんでみえる方もいます。
大学に関しても日本の大学は同世代で占められていますので、不安が強いDさんが再び大学に戻ることは難しいです。
でも専門学校ならば夜間のコースもあります。
その時間帯ならば、Dさんは続けられるかもしれません。
ここまでが私たちのアドバイスです。
目先のことより30代、40代になった時のことを考えて、支援をお願いするべきだと、私は今までの支援活動の中で思うのです。
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