青木さんたちは大変な状況だというのに、おいらはのんきに青木さんのケイタイに電話しました。
青木さんの声を聞くとほっとするからね。
「トゥルルルル〜、トゥルルルルル〜」
「あ、青木さん、今大丈夫ですか?」
「ごめん今忙しくてね。急用でなければまた後日かけてくれるかな」
おいらはすぐにピーンときましたがな。
「三度の飯より女性が好き青年さん、何かやらしたな。」ってね。
まあ、この時は我慢してこれ以上は電話しませんでした。
後日スタッフから聞いた話では大変なことになっていたんですよ。
再現フィルムです。
とにかくスタッフ全員に青年さんを探すための召集がかけられました。
今支援している人たちの安全を確保したのち捜索に回ったんです。
スタッフ全員です。
青木さんはご両親への報告を一瞬躊躇したんです。
どう言えば良いのか難しいですよね。
しかし、すぐに連絡を入れました。
「申し訳有りません。息子さんが行方不明になっています。」
そう電話を入れたかったのですが、ご両親が電話に出ないのです。
何度電話をしても出られないのです。
まるで家族でグルになっておいらたちスタッフを嘲笑っているかのように。
慌てていますと、こんなふうによからぬことを想像してしまいます。
ご両親の留守番電話にメッセージを入れましたが、返信はありません。
他のスタッフが、何度も何度も青年さんのケイタイに電話をかけ続けました。
2時間ほどするとやっと、その方の電話が繋がったのです。
「大丈夫ですか?怪我なんかしていませんか。」
「良かった。あなたが無事で、嬉しいですよ。」
おいらなんかはこのスタツフと青年さんのやりとりを聞いただけで涙が出ました。
「迎えに行くからどこにいるか教えてくれますか?」
「目の前に何が見えますか」
◯◯モールの3階にいる。
そう分かったスタッフたちは全速力で現場に向かう。
まるで映画を見るようなシーンだ。
「全CIA捜査官に次ぐ、◯◯現場に直行せよ。」
「◯◯現場にはもういません!!」
「あれだけ動かないでと言ったのに!!」
捜査は振り出しに戻ります。
突然青木さんのケイタイが鳴りました。
「ごめんさなさい。ごめんなさい。怒ってますか?」
「どうして?怒ってないよ」
「みんな心配して君を探しているんだよ。」
「君と話したスタッフは泣いていましたよ。」
「そうだよ。君の声が聞けたから嬉しくてね。泣いたんだろうな」
「僕はいらない子なんですよ。僕は家族に迷惑をかけてばかりなので、死にたい。」
「死んだら、お父さん、お母さんは許してくれると思う。」
「だから1日も早く死にたい。」
そう言うと携帯の向こうで大きな声で泣いたそうです。
そう言ってケイタイを切ってしまいました。
その直後青木さんは吐いたそうです。
とても強いストレスがかかったんでしょうな。
だって、このような大変な人たちを休みなく支援しているわけですから。
いつ倒れるかっていうような過酷な毎日が途切れることなく続く日々です。
でもこのケースは結局ハゲの責任ということなんです。
ハゲが悪いのです。
報告書にはそう記されています。
また明日。
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