ケア会議は、前半が私たち支援者側と病院側との話し合いで、後半がご家族を交えての話し合いでした。
病院側と支援者側で、現状の確認と今後の支援の方向性を確認した後、ご家族への話し合いに臨みました。
大切なことは、ご家族が当事者の状況を正しく理解し、今後の支援を考えることです。
しかし、そうならない現実も多くあります。
自分の子どもは、何も問題はない。
「子どもが起こした問題は大したことはない。」
「あんたら支援者や医者が何とかするのが責任だろう。」
「子どもは大学に行って普通に就職する。」
「うちの家系にはそんな問題があった人は一人もいない。」
「ちょっと問題があっただけで、学校に戻せないとかいうのはやめてほしい。」
30年間の支援でも数える程度でしたが、このようなやり取りもありました。
今回のケースでは、すでに2件の医療機関にかかっていましたが、ご両親は、いずれ学校にもどってくれるだろうと考えておられました。
私たちは、3ヶ月間にわたり、その方と生活を共にした支援をしてきました。
その支援を通して本人の状況を把握していましたので、一番にやるべきことは社会スキルの獲得だということがわかっていました。
私たちは、具体的に本人の言動や様子から、その必要性を何度もご両親に伝え続けたのですが、私たちでは十分に、ご両親に理解はしていただけませんでした。
それならばと考え、セカンドオピニオンということをお勧めしました。
「今、お子さんの状況を正しく理解し、それに合った支援をしないと、いずれ社会に居場所がなくなってしまうほど状態は悪くなります。」
こうでも言わないと動いてはいただけないと思っていました。
このご家族は幸運でした。
日本で誰もが知る発達障害の第一人者の◯◯先生にかかることができたのですから。
◯◯先生は、ご両親のメールから推察して、「今まで処方されていた薬ではよくはならない。
違う薬を処方すれば一ヶ月程度で落ち着きますよ。」
そうご両親に話されたのです。
そのことに私たちは驚きました。
メールだけで診察もしないのにそこまで言い切れるのか?
敬愛する◯◯先生ですが、私たちは納得はできませんでした。
◯◯先生の診察は半年後ということでしたので、その先生が推薦された医師と医療機関にかかることになりました。
それがケア会議をしてくださった先生です。
嵐のコンサートチケットの予約を取ることより診察予約を取るのが難しいと言われている先生です。
その先生は、本人を診察し、経過を見ておられたのですが、本人の状況と今後の方向性は私たちが考えていることと同じでした。
そして、ご家族に現状を説明し、今後の支援の方向性を示唆してくださいました。
さらに驚いたのは、もう一度ゆっくりと今後の支援について話し合うことになっているのです。
そこまでしてくださる医師なのか!
とにかく、この先生にはいい意味で驚かされることばかりの私たちでした。
ケア会議には私と大野ともう一人のスタッフの3人で臨ました。
帰りの車中で、先ほどのケア会議のことを思い出しながら「有意義な時間だった。」と3人で興奮して話をしました。
あの先生のご家族を思いやる態度に感動したのです。
本当に素晴らしいひと時でした。
興奮冷めやらず。
私と大野はその晩、居酒屋で遅くまで支援についてああでもないこうでもないと盛り上がっていました。
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