アルバイトを途中でやめた僕はとにかくそこから早く離れたかった。
サポートセンターから僕の代わりにアルバイトに入る人が到着して僕は走ってその場から離れた。
あの言葉が頭の中を駆け巡るんよ。
途中どこかでまた僕の顔を見たら怒鳴ってくるんじゃないかと思って早足になった。
あそこまで怒られた経験がないんよ。
たくさん人がおる前で僕を指さして怒鳴る。
しかも周りの人に聞こえるような大声で。
僕は皆んなの笑い者だった。
小学校、中学校の時を思い出した。
周りからバカにされ、笑い者にされていた日々。
帰りの地下鉄で涙が出た。
恥ずかしいという気持ちより、やっぱり僕はダメな人間なんやという情けない気持ちが勝っとった。
同級生の皆んなから置いてきぼりにされて、気付いたら周りには誰もおらん。
ひとりぼっちにされてしもうとった。
だから、今少し自信ができた僕は早く皆んなに追いつきたいんよ。
皆んながするというアルバイト。
自動車免許。
合コン。
デート。
初キッス。
皆んなから周回遅れどころか、最後尾を走る同級生の後ろ姿さえ見えない。
どこを走っているのかわからなくなり立ち止まる。
「大丈夫、まっすぐ走っていけばいい」支援してくれているサポートセンター名古屋のスタッフさんから、言われた言葉を信じてまた走る。
信じて走る。
目標が見えないのに走り続ける不安。
「やっぱりもうダメなんじゃないかな。」
「走ることを棄権したほうがいいんだよ。」
「そうしないと頑張った分だけまた落ち込むからね。」
「このままじゃいやだよな。」
「だったら信じて走り続けるしかないんだ。」
「必ず笑える日が来るさ。」
二つの考えがいつも僕の頭の中を交差する。
「マイナスな考えよどこかへ行けよ。」心の中でそう命じる。
しかし、奴は強力だ。
今まで失敗したこと。
ありのままの現実をこれでもかというほど僕に見せてくる。
「だからねまた失敗するんだよ。」
「登っていた梯子を下りる勇気が必要さ、大統領。」
「ねえ大統領、君の悲しむ姿を見るのはもうたくさんなんだよ。」
「これ以上悲しみや不安を感じなくて済むならそうしたくはないか。」
「少し痛いけれどね。」
「すぐに安らぎが訪れるんだ。」
「僕はそこで大統領を待っているからね。」
甘い言葉で僕を破滅に導こうとするその声。
不安が大きくなっていき、本当に自殺しようかなと考えている自分に気づいて、青木さんに電話する。
でない。
いつもはすぐに出るのに今に限って電話に出ない青木さん。
不安がさらに大きくなり、支援してくれているスタッフに電話する。
「はい、大統領どうしたの」
優しい声を聞いた瞬間涙が流れた。
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