小学校4年に上がる前に引っ越しをした。
前住んでいたところから随分離れたところでした。
周りには今までの僕のことを知っている人はいなかった。
始業式の前に職員室に来るように言われていた。
職員室で待っていたのは四年の担任だった野村先生だった。
「野村です、青木君のクラスの担任になることになりました、どうぞ宜しくお願いします。」
僕に向かって深々と頭を下げられた。
僕の中からほんのすこし恐怖が消えた。
大学を出たての情熱に溢れた先生でした。
松岡修三のような感じでしょうか。
青木君は何が好きですか?
「・・・・・・」
じゃあ、何か得意なこととかありますか?
「クイズ」
小さく消え入るような声で答えた。
クイズが好きなんだ、すごいや。
どんなクイズか先生に出してみてください。
世界で一番高い山はなぁんだ。
何山が一番高いのかな
エベレスト、8848メートル。
次の問題は何かあるかな。
世界で一番長い川はなあんだ。
ナイル川、6650キロ。
すごいな、青木君は社会の博士だ。
じゃあね、教室で転校生ということで青木君のことを先生が教室のみんなに紹介するね。
その時に、青木君は社会の博士ですとみんなに紹介します。
そして今のクイズを先生は青木君に質問しますから答えてください。
今日はみなさんに新しいお友達を紹介します。
あおきよしひさくんです。
みなさんどうぞ仲良くしてください。
紹介されるまで廊下で待っていた時間が永遠のように感じたられた。
手が震えている。
怖い。
みなさん、青木くんはすごいんですよ。
社会の博士なんです。
ちょっと博士に聞いてみましょうか。
青木博士、世界で一番高い山は何山ですか。
自己紹介が終わった後、僕に対するみんなの視線を感じた。
僕が変わる大きな出来事だった。
40年も前の出来事が昨日のように鮮やかによみがえる。
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