2週間後、俺の帰る場所は自宅しかなかったので、深夜に帰宅しました。
玄関を静かにあけると、玄関先で父が布団をひいて寝ていました。
すぐに、俺の帰りを待っていてくれたのがわかりました。
俺が帰って来た事に、父はすぐに気づき起きてくれました。
その時の父の様子を忘れる事はできません。
「帰って来て良かった。」「お腹すいてないか?」「お風呂わいているよ」
普通に接してくれたことで、僕は泣いてしまいました。
どうしてこんなに優しい父を困らせているのだろうか。
一瞬そう思うのですが、すぐに、いい知れぬ不安や恐怖の気持ちに満たされます。
僕が家出をしている間に父はサポートセンターに何度も足を運び、相談に乗ってもらっていました。
父は「発達障害の人を個別で支援している人たちで、色々な体験をしながら自信をつけていくやり方だから、お前に向いている。」と言いました。
でも、僕は全く興味を持ちませんでした。それよりどうやって、家を出られるかその事ばかり考えていました。
自宅に帰ってからは、いつもと同じ生活が続きました。
母といがみ合い、怒鳴り合い、暴力を振るう。
既に2回も大けがをさせてしまっているのに、何も変わらない状況が
いい加減嫌になっていました。
そんなとき、父から、サポートセンターの話は断るから、一度だけ会ってそれで断らないかと提案されました。
今まで何十通の手紙をくれていたので(一通も読んでいません。全てゴミ箱行き)
一度ぐらいは、その顔を拝んでやってもいいかなと思いました。
2006年5月のことです。
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